頻繁に行われるWindows10のアップデートで「良くなった」と実感する事は今まではあまり無かったのですが、Windows 10 May 2020 Updateで追加された「ハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリング」という機能は、フルハイビジョン(フルHD)画質のFFXVベンチマークで目に見えて効果を発揮しました。
ただし、4K解像度では逆に悪くなりました。何度か試してみましたが、その傾向は変わりませんでした。
なぜそうなるのか、理屈はよくわかりませんが、フルHD解像度では間違いなく速くなるようです。
「ハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリング」使用前提条件
「ハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリング」を使うには、以下の環境が必要です。
- Windows 10 May 2020 Update(バージョン2004)適用
- Nvidia GeForce 451.48以降、またはRadeon Software Adrenalin 2020 Edition 20.5.1以降
Nvidea GeForceのグラボ、またはAMD Radeonのグラボが必須、ということですね。
使用環境・構成
UEFIマザーボード: ASRock970 Pro3 R2.0 Socket AM3+
グラフィックボード: Palit GeForce® GTX 1070 Ti デュアル
GeForce Game Ready Driver バージョン:456.71
CPU: AMD Phenom II X6 1100T(3.3GHz)
PC電源 : ATX550W電源(NE550C)
メモリ:DDR3 1600 (PC3-12800) 4GB CL11 KVR16N11S8/4 × 4枚 = 16GB
ストレージ: SSD 256GB(THNSNH256GCST)、160GB/U-ATA133(6L160P0)、 160GB/SATA300(ST3160812AS )
モニター : BenQ EW3270U(31.5インチ 4Kモニタ )
OS : Windwos10 バージョン2004
「ハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリング」設定方法
「ディスプレイ設定」メニューを選択
Windowsデスクトップを右クリックし「ディスプレイ設定」メニューを選択します。
「グラフィックの設定」メニューを選択
ディスプレイ設定画面の「グラフィックの設定」メニューを選択します。
「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」を設定
グラフィックの設定画面の「ハードウェアアクセラレータによるGPUスケジューリング」をオンに設定します。
ファイナルファンタジーXVベンチマークの結果
高品質 3840×2160(4K)
ASRock970 Pro3 R2.0 :3096(普通)
体感できる程の違いはありませんが、4K画質では「ハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリング」がONの時の方がOFFの時よりも遅くなってしまいました。残念なことにAM2+マザーボード(DDR2)よりも遅くなっています。
標準品質 1920×1080(フルHD)
ASRock970 Pro3 R2.0 :6220(快適)
PhenomII X6 1100T で初めて(快適)が出ました!
フルHD画質では「ハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリング」がONの時の方がOFFの時よりも確実に速くなっています。
その他の解像度
以下は解像度を変更して比較した結果です。
GPUスケジューリング | ON | OFF | OFF |
M/B(メモリ) | 970 Pro3(DDR3) | 970 Pro3(DDR3) | M3A78-EM(DDR2) |
解像度\CPU | Phenom1100 | Phenom1100 | Phenom1100 |
高品質 3840×2160 | 3096 | 3226 | 3172 |
標準品質 3840×2160 | 3624 | 3665 | 3692 |
高品質 2560×1440 | 4717 | 4666 | 4535 |
標準品質 2560×1440 | 5899 | 5632 | – |
高品質 1920×1080 | 5115 | 4834 | 4742 |
標準品質 1920×1080 | 6220 | 5923 | 5870 |
4K解像度以下ではいずれも「ハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリング」がONの時の方がOFFの時よりも速くなりました。解像度が下がるほど差が顕著になります。
3DMarkの結果
3DMarkでの結果は、フルHD画質であるにも関わらず「ハードウェアアクセラレーションによるGPUスケジューリング」がONの時の方がOFFの時よりも遅くなってしまいました。残念ながらAM2+マザーボード(DDR2)よりも遅くなっています。
GPUスケジューリング | ON | OFF | OFF |
M/B(メモリ) | 970 Pro3(DDR3) | 970 Pro3(DDR3) | M3A78-EM(DDR2) |
解像度\CPU | Phenom1100 | Phenom1100 | Phenom1100 |
1920×1080 | 37298 | 39651 | 38598 |
まとめ
フルHD解像度の標準モードだけとはいえ、PhenomII X6 1100T でファイナルファンタジーXVで(快適)レベルのスコアが出たことはうれしいですね。
実はFFXVベンチマーク以外でも効果を感じました。感覚レベルではありますが、画像の読み込みが速くなっています。画像を読み込む際に一瞬表示されていたローディングのクルクル表示が出なくなりました。ちなみに4K解像度です。2D画像でも効果を感じます。
ただし、ファイナルファンタジーXVの4K解像度、3DMarkが遅くなってしまったのが引っ掛かります。ゲームや解像度によっては必ずしも速くなるとは限らないようです。使うかどうか、判断が難しいですね。
とりあえずそれほどゲームをするわけではないので、しばらくこの設定で使ってみます。今のところ特に問題はありませんが、何かあれば報告します。
CPUをFX8350にすると、標準品質2560×1440でもGPUスケジューリングの効果が確認できました。CPUの待ちが少なくなった分、速いCPUの方が効果が享受できるのかもしれません。
高解像度・高品質ではGPUスケジューリングはOFFにした方が良さそうです。ONにするとGPUの負荷が高くなってしまうからかもしれませんね。
GPUの負荷が高い4K高品質でGPUスケジューリングをONにすると、いっぱいいっぱいになっているGPUにスケジュール管理まで任せて追い打ちをかけてしまう。だから却って遅くなる。
GPUスケジューリングをONにする目的は、GPUがいちいちCPUに「次のスケジュールは?」と問い合わせる無駄を省くことにある。
上司が部下に部下自身のスケジュール管理を任せることに似ているね。
仕事でいっぱいいっぱい(4K高画質)の部下(GPU)にスケジュール管理まで任せるくらいなら、上司(CPU)がスケジュール管理してあげた方が良い(GPUスケジューリング をOFF)ということだね。
GPUスケジューリングをONにするのは、GPUに余裕がある時が良さそうだね。
コメント
比較など多く参考になる記事でしたが、すこし気になる点が…
文中でしばしば解像度1920×1080を2Kとして扱っていますが、この解像度は正しくはフルHD(FHD)です。
2Kの解像度は2560×1440となるので、訂正した方がよいかと…!
当ブログをご覧いただきありがとうございます!ご指摘ありがとうございました。2Kの定義は曖昧だったりするので、「ま、いいか」くらいの気持ちで書いていましたが、pcでゲームをやる場合に環境は大事な情報ですので、今後はしっかり区別して記載します。順次修正していきますね。今後ともご指摘のほどよろしくお願いいたします。
GPUが余ってるフルHDでは、GPUに振って速くなり。
GPUが限界に近い4Kでは、CPUに振った方が速くなったのでは。。
コメントありがとうございます。
一人で考えてモヤっとしていたことがコメントをいただきスッキリした気がします。だるま犬で補足してみました。解釈が間違っていたら改めて指摘をお願いします。