競売物件購入は家賃収入狙いがリスク低め…入札額の決め方

生活・仕事
スポンサーリンク

おっさんはもう十数年前になりますが、競売物件を2件購入しました。2件とも賃借人が住んでいた物件です。

おっさんは不動産には全く素人ですが、競売物件を素人個人が購入するなら、家賃収入ねらいで賃借人がいる物件が比較的リスクが低く無難だと思います。

競売物件をすすめているわけではありません。競売物件にはリスクがあり、どの物件が良いかは一概に言えませんが、一体験談として参考にしてください。

スポンサーリンク

競売物件とは?

競売物件は裁判所で購入(入札)する

競売物件は、所有者がローンを支払えなくなり債権者に差し押さえられ、オークションにかけられた物件です。

債権者に人の所有物を差し押さえる力は無いので、裁判所にお願いして挿し押さえてもらい、裁判所がオークション(競売)にかけます。

中古物件を買うのとは違い、いわくつきの訳あり物件です。だから相場よりかなり安く買える可能性があります。

競売物件はBIT(不動産物件情報サイト)に公開されています。

競売物件は様々

BITでは「物件明細書」、「現況調査報告書」、「評価書」(以下「3点セット」といいます。)がダウンロードでき、これを見れば素人でもどんな物件なのかは何となく分かります。

様々な物件があり、中には複雑で素人には理解し難いものもありますが、いろいろあるけど「占有状況」でざっくり以下の3つに分類できます。

  • 空き家(所有者が住んでいない)
  • 所有者が住んでいる
  • 賃借人が住んでいる

素人が購入するなら賃借人がいる物件

空き家がいいじゃん…何がリスク?

占有状況: 建物所有者が空き家として占有

競売物件は所有者が持っている家を強制的に売るわけですから、そもそも純粋な「空き家」はありません。

仮に所有者が住んでいなくても、家具や衣服、食器などの動産が置き去りにされたままだったりします。

これらは所有者の持ち物なので、勝手に処分できないんです。

所有者と交渉し処分できれば良いのですが、所有者に連絡取るのも素人には抵抗ありますよね。

連絡が取れればまだしも、連絡が取れない場合は法的な手続きに基づいて処分する必要があります。一定期間保管する必要があったり、費用がかかったりで、面倒そうです。

残置物が無い、綺麗な空き家であれば一番良いんですけどね。ただし、内見できないので細かな不具合が隠れている可能性はあります。また、競争率が高そうです。

所有者が住んでいる…どんな人?

占有状況:建物所有者が占有

競売物件にはローンが支払えなくなった所有者本人が住んでいる物件も多いです。

この場合、空き家よりハイリスクな事は想像に難くないですよね。

何らかの事情があってローンが支払えない状況に陥ったわけですから、次に住む場所にも困って居残っている、と想像できます。

追い詰められている人に素人が「私が買ったんだから出て行って」、と言って簡単に立ち退いてもらえるとは思えません。

法の力を借りて「強制執行」で無理やり立ち退かせるか、交渉して引っ越し代なども出してあげて穏便に出て行ってもらうか、いずれも費用も労力もかかります。

素人には敷居が高いです。

賃借人が住んでいる…前所有者と関わらずに済む

占有状況:その他の者(賃借人)が占有
占有権限:賃借権

賃借人が住んでいる(前所有者が賃貸物件として第三者に貸していた)競売物件がなぜ素人向けかと言えば、前所有者と関わる必要が無いからです。

関わりが発生するのは賃借人ですが、前契約を継承するだけです。引き渡しがとてもスムーズです。

もちろん、賃借人がやっかいな人かもしれない、というリスクはあります。賃借人が家賃を滞納しているかどうか、までは3点セットには記載されていません。

賃借人がどんな人かは3点セットの「現況調査報告書」の部屋の写真が唯一窺い知れる手段ですが、家賃滞納する人かまでは読み取れません。

家賃を滞納している可能性が低い、と判断できる材料に「契約期間」があります。契約期間がある程度長ければ滞納の可能性は低い、と判断できます。

1年も2年も住んでいる人が家賃を滞納している可能性は低いですよね。ただし、1年2年住んでから今まさに滞納が始まった、という可能性も無いとは言い切れません。

滞納している賃借人が住んでいるリスクは少なからずありますが、その場合は「所有者が住んでいる」場合と同様の手間が発生します。

賃借人がいる競売物件のメリット

素人にとって、賃借人が住んでいる競売物件の最大のメリットは前所有者と関わりを持たずに済む、ということを先に述べましたが、他にもメリットがあります。

賃借人が住んでいる=人が住める物件

競売物件は空き家であっても内見はできません。3点セットに記載されていることが全てです。

住んでみて初めて気づくような細かい不具合までは3点セットには記載されていません。

蛇口から水漏れ、換気扇が回らない、ユニットバスにひびがある、床が傾いている、など、誰かが住んでいればクレームとなって放っておけないことが、空き家ではそのまま埋もれている可能性があります。

賃貸契約期間がある程度長い物件であれば、少なくともそういった不具合がある可能性は低いです。

ライバルが少ない

正確なところは分かりませんが、プロ(不動産業者)は賃借人がいる競売物件は対象にしていないと思います。

不動産業者は競売で商品となる不動産を安く購入し、問題を整理してリフォーム等を施し、一般不動産市場で販売する、というビジネスモデルです。

賃借人がいる競売物件を購入し、家賃収入で利回りを得る、という時間のかかるビジネスモデルは好まないと思われます。

プロのライバルが少ない分、素人が落札する可能性は高いと思われます。

入札額はいくら?賃借物件なら家賃が基準になる

そもそも競売物件を購入するには入札が必要ですが、いくらで入札しますか?

素人には難しいですよね。

同様の物件の相場がどのくらいなのかも分かりません。

3点セットの「評価書」に記載されている試算価格や評価額から「エイヤッ」と感覚で決めるしかないですよね。

でも、賃貸物件の場合は「現状調査報告書」に記載されている「賃料」や「管理費」を基準にある程度入札額を定めることができます。

入札額の決め方

例えば賃料7万円、管理費が1万5千円の賃貸物件の入札額を考えます。

まず、目標の利回り(表面利回り)を決めます。突発的に発生する修繕費などを考えた場合、表面利回りは15%前後はあった方が良いです。

仮に表面利回りの目標を15%とした場合、

年間の家賃収入:(7万 – 15千円)× 12か月=66万円

入札額:66万円 ÷ 0.15(15%) = 440万円

となります。

440万円で入札し、落札できれば440万円を15%(諸費用等を引いた実質利回りはたぶん10%前後)で運用できる、ってことです。

これを最低ラインにもう少し微調整しましょう。

現在の賃借人が退去した場合、次も7万円で入居してくれるとは限りません。

次に貸す時を6万円と想定した場合、

年間の家賃収入:(6万 – 15千円)× 12か月=54万円

入札額:54万円 ÷ 0.15(15%) = 360万円

360万円~440万円で落札できれば、損をすることは無さそうです。この額で落札できなかった場合は、損をせずに済んだ、と割り切って諦めることができます。

まとめ

おっさんが落札した2件の競売物件はいずれも前所有者が分譲マンションの1室を賃貸していた物件でした。

落札後、賃貸管理会社と契約し、賃借人とのやり取りも管理会社にお任せしました。

素人(別に本業がある方)が競売物件を購入するとなると、残置物があるだの、前所有者が占拠している、といった物件は知識も時間も不足し、扱うのが難しいと思います。

2件の競売物件を購入した経験から、素人が競売物件を購入するなら賃借人が住んでいる賃貸物件が無難だと思います。

次回は3点セットをどう見て何をやったか、もう少し具体的に紹介したいと思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました